人を育て、事業を育てる。「誰かの役に立てる」仕事に日々携われることが喜びです。
前職で広告営業や、メディアのマーケティング責任者を経験した後、様々なきっかけが重なり仙台へのUターン転職を決意した尾形さん。40代で新たなキャリアをスタートした尾形さんがメンバーズを選んだ理由、さらに今後実現したい目標についても伺いました。
前職で18年。実績は出せたが、「社会の役に立てている」実感は持ちづらかった。
地元・仙台の大学を卒業後は、営業職として就職しました。飲食店向けにキャンペーンを企画・提案したり、グルメサイトの提案をしたりと、法人向けの広告営業をメインに経験を積みました。
その後、入社10年を過ぎたタイミングで本格的にウェブ解析を学び、ウェブコンサルタントに転向しました。自社メディアのいわゆる「中の人」として、成果を上げるための分析や解析、コンサルティングなどを行う毎日でしたね。
その頃には会社も上場し、私の社歴も上から5本指に入るくらい長くなっていました。それなりに高い評価をいただき、責任あるポストにも就き、特に大きな不満はなかったのですが……。ただ、会社がベンチャーからスタートしたこともあって、社風としては営業が主体。自分の仕事が本当にクライアントや社会の役に立てているのか、実感が持ちづらかったことも事実です。
また、当時携わっていたのは旅行メディア。関わる業種が限定的で、クライアントが抱える悩みや、それに対する提案も似通ってきていました。「もっと幅広い業種に関わりたい」「適切な社数に対して、腰を据えて支援できる環境で働きたい」という思いが徐々に強くなっていったことが、転職を意識した最初のきっかけになりました。
ふるさとの東北で、地域のため、家族のための働き方がしたい。
転職を考えた理由は、実はそれ以外にもありました。というより、「重なった」という方が正しいかもしれません。
まず、地元である東北への思い。これは40代以降のあるあるかもしれませんが、「いつかは地元に戻って地域に貢献したい」という思いが年々強くなっていました。また、前職時代はとにかく仕事漬けで、平日に家族と夕飯を食べたことがなかったので、家族との時間をもっと取れたらなぁという思いもありましたね。
地元の親もだんだん高齢になり、ある時「雪かき中にケガをした」と連絡を受けたことで、今後のサポートをより意識するようにもなりました。さらに春からは、子どもが中学に上がるタイミング。様々な変化や事情が重なり、まさに「今行け」と言われている感じがして、東北へのUターン転職を決意しました。
コアバリューに「誠実」を掲げるメンバーズに惹かれる。
前職の経験を活かせて、18時に退社できて、できれば給与水準をキープしたい。譲れない条件を並べたら、「そんな会社はありません!」とある転職エージェントさんに言われてしまったこともありましたが(苦笑)。いくつか転職エージェントさんに登録した中で、ある担当者の方から「尾形さんに合いそうな会社がある」と紹介されたのがメンバーズでした。
ホームページを見ていて印象的だったのが、コアバリューの中に「誠実」という言葉を掲げていたこと。会社の価値観として明記しているところに相当な覚悟を感じ、「ここなら自分に正直に仕事ができそう」というイメージを持つことができました。
上場企業としての安定性、勤務時間や待遇面に納得できたことなど、もちろん惹かれた理由はいくつもあるのですが、いちばんの理由は、「『大人』という位置付けでの」自分の入社を欲していただけたことです。実は当時、仙台オフィスは中途採用を行っていなかったのですが、面接していただいた役員の方々から「うちは若手が多くて、彼らを育てる中堅〜ベテラン層も実は欲しいんです」というお話をいただいたんです。自分の経験を活かせる場が多くありそうだと感じたこと、さらにお会いした方々の人柄の素晴らしさも決め手となり、メンバーズへの入社を決めました。
入社後に感じた、「案件に入り込む」大変さと面白さ。
経験としては「ベテラン」と呼ばれる立場ですが、初めから全てうまくいった訳ではありませんでした。というのも、社内のメンバーにとっては、同世代ばかりのチームにいきなりベテランが入ってきた状態。私がどんなスキルを持っていて、どんな人間なのかが分からず、初めは一緒に仕事をするのもかなり探り探りだったと思います。
クライアントとのやりとりも、最初は苦労しました。例えば、入社2年目で担当した大手物販会社でのこと。久しぶりに当社に発注をいただいたタイミングで、サイトの解析ができる人材としてアサインされたのですが、お互いの付き合いもまだまだ浅く、核心的な提案をしようとしてもなかなか心を開いてもらえない状態がしばらく続きました。
それを解消したのは、やはり地道なコミュニケーションでしたね。クライアントには課題指摘や改善提案を真剣に行い、少しずつでも信頼を築いていこうと努めていましたが、その過程で、ある時KPI の数値の誤りを見つけたことがありました。丁重に指摘させていただいたところ、そこで大きく信頼を獲得。その後は、ネットストア全体のKPI設計やPDCA管理を任せてもらえるまでに信頼を勝ち得ることができたんです。
もちろんこれは私だけの力ではなく、チーム全員の力があったからですが、同時に、チームとしてクライアントに向き合うこの仕事の価値を心から感じた出来事でもありました。若いメンバーにもリスペクトをもって接することで、信頼を築くことができ、クライアントにも良い影響を与えられると実感できたことが、今思えば大きな転換点だったと感じています。
現在は、若手クリエイターのスキル向上のために邁進中。
現在の業務としては、実案件の対応と育成を半々で行っています。いわゆる「育成」も担当しているのですが、メンバーズには「社内職種制度」という等級制度があって、そのマイスター(認定者)として、認定基準の作成や認定にも携わっています。さらに研修商品の立ち上げや企業向けトレーニングなど、部署の外でも貢献の場をいただけていますね。
その中でも特に力を入れているのが、若手クリエイターの育成です。グロースディレクターは、レポートを作って提案する場面が多い仕事ですが、特に新卒のメンバーは、これまできちんとした作り方が分からないまま、前の人のものを参考に作ることも多かったようなんです。それではマンネリになりますし、スキルも上がっていかない。そこで、「今回のレポートの目的は?」「誰向けのレポートなのか?」などを明確にした上で、目的に合わせたレイアウトの作り方や、チェックする側のポイントを仕組(ツール)化することから始めました。
そうすることで、レポートのクオリティ自体も上がりますし、例えば「コンバージョンが下がったことを伝えたい」となれば、「じゃあこう伝えてみよう」とアドバイスもしやすくなります。まずは一部のチームから導入を始めたのですが、使った感想をフィードバックしてもらい、今後は部門、全社と段階的に広めていこうとも思っています。各部署で活用してもらうことで、クリエイター全体のレベルアップ、さらにクライアントのグロース加速につながっていけば嬉しいですね。
今後も、皆が「社会の役に立っている実感を持つ」ためのサポートを。
一般的に、会社を辞めてしまう理由の多くに「自分のやっていることが、やりたいことと違う」というのがあると思います。自分ができること(得意なこと)と、会社が求めていることが紐づいて、「自分は社会の役に立てている」と実感できたら、人は幸せに働けると思っているんです。
そのために、今の自分ができることが「育成」です。社内のクリエイターが育ち、会社のデジタルサポート事業がグロースすれば、発言権をもってクライアントを支援することができます。その積み重ねでクライアントへの貢献度を上げていけば、仕事の手応えも大きくなり、やがては会社が掲げる「社会課題の解決」にもつながっていくと思うのです。
私はもともと、「いつまでにこれを成し遂げたい」というような野心的なタイプではありません。それよりも、「『誰もが社会の役に立っている実感を持つ』ためのお手伝いがしたい」というのが、人生における軸。この先も、時代や社会の変化によって求められることは変わっていくと思いますが、自分の軸に正直に、会社や事業、クライアントのためにできることをしていきたい。それがひいてはより良い社会、より良い未来につながっていくと信じています。
編集後記
前職で培った経験を、クライアント先だけでなく社内にも還元し、ますます活躍の場を広げている尾形さん。より良い未来を見据えて、自分の「得意」を活かせる仕事をする。その考えに大きな刺激をいただきました。
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文/増田 雅美
取材・写真/谷貝 玲