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結婚、転居、拠点の異動。環境の変化は、私にとって大きなチャンスでした。

結婚をきっかけに、「場所にとらわれず続けられる仕事」としてWebの仕事を選択した馬場さん。メンバーズ入社後は、北九州、神戸、大阪と勤務地を変えながら着実に仕事の幅を広げています。インタビューでは、馬場さんが様々なプロジェクトを経験する中で得たことやそこから見えた展望、また前職との意外な共通点についてもお話を伺いました。


「チームで作り上げる」を軸に、大学卒業後は施工管理に。

子どもの頃から、学芸会や発表会など「みんなで作り上げる」イベントが好きで、就職活動でも「チームで行う仕事」を軸に選考を受けていました。入社したのは、空調設備の設計・施工を手がける会社。関西エリアを中心に、オフィスビルや工場などで空調の設置工事や電気工事を行う際の施工管理に携わっていました。

業務内容としては、朝会で職人さんたちに1日のスケジュールを共有して、作業の進捗や品質を管理して…と、今のディレクター業務に共通する部分も実は多いです。一つ違いを挙げるとするなら、「タバコはどこで吸えるか」「お昼を食べる場所はどこにあるか」などの情報も、業務と同じくらい優先度高く共有すること。様々な業種の職人さんがスムーズに働けるよう、様々なところに気をくばりながら各現場を回していく仕事は、体力的に大変なこともありましたが達成感も大きかったですね。

2年ほど勤めたところで結婚し、そのタイミングで夫が当時住んでいた北九州に引っ越すことになりました。転居後も仕事を続ける方法を探り、会社とも相談しましたが、施工管理を続けるとなれば現場は関西エリアが中心。住む場所が変わるとやはり難しいということになり、やむなく退職する道を選びました。

「どこに住んでも続けられる」仕事を求め、Webの世界へ。

北九州に引っ越してからは、しばらく専業主婦として過ごしていました。1年ほど経ち、やはり仕事がしたいと思い始めた頃、タイミングよく募集をかけていたのが市の職業訓練校のWebデザイン講座。募集を見つけてすぐに応募を決めました。

というのも、前職を辞めた後、仕事選びの軸として考えるようになったのが「住む場所が変わっても続けられる仕事」。その一つとして考えていたのがWebの仕事でした。夫は転勤のある仕事をしていて、この先も転居があるのが前提。一度、引っ越しを理由にキャリアを諦めた経験から、やはり途中でキャリアが途絶えてしまうのはもったいないという気持ちも強く持っていました。当時はまだ20代でしたが、この先30代、40代と年齢が上がれば業種を変えることも難しくなる。できるだけ早いタイミングで、この先長く続けられる仕事に就きたいという思いがあったんです。

職業訓練校では、平日の朝から夕方まで、まさに学校に通う感覚でデザインの基礎を学んでいきました。半年間の講座が終わる頃、メンバーズの北九州オフィスの方が就職説明会を開いてくれたのが、メンバーズを知ったきっかけ。前年の卒業生が入社した実績があったこと、また説明会でもとても丁寧にお話をしてくださったことが好印象で興味を持ちました。面接でも、説明会と同様、会社の雰囲気をすごく伝えようとしてくれていた印象があります。「選考」というよりも、お互いを理解するための「話し合い」のようなフラットな雰囲気も安心感につながり、無事に内定をいただいて入社に至りました。

Webの仕事を選んだのは、場所にとらわれず続けられる仕事として。また、残業が比較的少ない、しっかり休みが取れるなどワークライフバランスがとりやすい点も大きなポイントでした。

毎日が学びの連続。でも、これまでの経験も確かに活きている。

入社後は北九州オフィスでカード会社のサイト運用からスタートしました。半年ほどコーディングに携わり、プロジェクトの全容を掴んでからディレクション業務にシフトできたのですごく入りやすかったですね。

その後、2年目の終わりに大阪への転居があり、会社に希望を出して神戸オフィスに異動させていただきました。神戸ではCXディレクターというポジションを経て、大阪を拠点とする大手メーカーの案件に参画。その案件が大きくなったことで大阪にもオフィスが立ち上がり、現在は大阪オフィスとクライアント先を行き来しながら仕事をしています。

主に携わっているのは、グローバルサイトの運用や制作ディレクションです。製品ページやサポートサイトの制作を滞りなく進めていくのが主な役割。製品数も多く、かつ求められるクオリティも高いため、クライアントやコーダー、デザイナー、他のベンダーなどたくさんの人と調整を行っていく難しさがあります。あまり身近でない製品ということもあり、新たに学んでいく知識もたくさん。ですが、無事に公開された時の達成感は、関わる人の数が多ければ多いほど大きいということも実感しています。

また、プロジェクトで経験を積むほど、Webディレクターと施工管理はすごく共通点が多いということも感じますね。スケジュール管理や品質管理といった業務内容もそうですが、「相手によって伝達の方法を工夫する」、「聞かれたことへのレスは早い方が良い」など、仕事をする上で大切なポイントも共通しています。どちらも、決まった日の決まった成果物に向かって、立場の違う人たちが同じ船に乗って取り組む仕事。その一体感が私はやっぱり好きで、自分の性に合っているなとも改めて思いますね。

メンバーズの面接を受けた当時は、Webディレクターとして大きな案件に関わるなんてずっと先のことだと思っていました。でも思い返してみると、面接で前職の話をした時、「施工管理やってたなら、Webディレクターとやってること一緒だね、できそうだね」ということも面接官の方に言われていたんです。もしかしたらその方には、今の姿を見抜かれていたのかもしれませんね。

マネージャーが休職。代役を務め、見えてきた「自分の役割」。

今のプロジェクトで最も印象に残っている出来事は、まだ配属されて数ヶ月の頃、マネージャーが休職し、急きょ現場の先頭に立つことになった時のことです。当時は業務知識も全く足りず、マネジメントの経験も、ましてお客さまと直接話すような経験もなかった頃。いきなりの代役に、頭の中が真っ白になったことを覚えています。

しかし固まってばかりもいられず、まず始めたのは業務の棚卸し。チーム全員で集まり、マネージャーのTODOリストを整理して、できる人がカバーできるように業務を分担していきました。たまたま表に立ったのが自分、というだけで、どのメンバーもすごく大変だったと思います。それでもメンバー全員の主体性に助けられ、新しいマネージャーが来るまでの期間を何とかつなぎ止めることができました。

とにかく必死ではありましたが、この経験を通じて、チーム全体やその中での自分の立ち位置がより具体的に見えるようにもなりましたね。新しいマネージャーが来た時には、現場のことをできるだけ早く把握できるようにクライアントとつなぐ役割も積極的に担いました。例えば、会議のキーパーソンは誰で、トラブルが起こった時にはこの人が相談しやすい…など、マニュアル化されていない情報も積極的に共有していくようにしました。チームのために必要なことを考え、自ら行動に起こす。今につながる姿勢を学んだ数ヶ月だったとも思っています。

リーダーに昇格し、今度はチームを下から支える立場に。

チームが落ち着いてきた頃に昇格の機会があり、今はリーダーとしてまた違う角度からチームに関わっています。特に力を入れているのが、大阪オフィスで働く制作メンバーとのコミュニケーションです。クライアント先に常駐するマネージャーとほとんど顔を合わせる機会のないメンバーに、現場の意向を伝えたり、逆にメンバーと話したことをマネージャーに共有したりと、今はどちらかというとチームを下から持ち上げる役割を担っています。

これは、同時期に昇格したもう一人と「チームが同じ方向を向くために何が必要か」を考え、取り組み出したことでもあります。チームの人数も増え、またプロジェクト先によってメンバーズとは異なる文化の中に身を置くことも多く、この仕事には環境の変化がつきものです。だからこそ、一人ひとりと対話の時間を取ることで、メンバーが今何を考えて仕事をしているのか、モチベーションの部分を大切にしていきたいという気持ちが今は強いですね。

環境が変われば、接地面が増える。この先も新しいことを学び続けたい。

これまで、北九州から神戸、大阪と複数の拠点を経験してきました。その間にプロジェクトも変わり、役割も色々と変化してきましたが、私にとって環境の変化はポジティブで良いこと。「そのクライアントと出会えたから得られた経験」というのが必ずあって、新しいクライアントと出会うたびに、接地面が増えていく感覚があります。異動も回数を重ねると慣れてきて、対応能力や柔軟性は以前と比べて大きく上がりましたね。

今後については、実は夫が転勤のない仕事に転職をして、基本的には大阪にいられそうなんです。大阪オフィスが立ち上がったタイミングでもありますし、自分の地元という意味でも、今後は大阪を盛り上げていく一人として組織に貢献していきたいですね。大阪には大きな企業がたくさんあり、これから開拓していける余地もまだまだあると思っています。ポテンシャルのある環境だからこそ、新しい企業との出会い、新しい人との出会いを通じて私自身もまだまだ成長していきたいと思っています。

初めて来た日はびっくりしたんですが、今の大阪オフィス、席がガラガラなんです。今後人数が増えることを見越して席が用意されていると聞いています。この席が全部埋まって、今よりさらに活気のあるオフィスで働くことも夢ですね。

編集後記

インタビューで特に印象に残っているのが、マネージャーの不在を経て、馬場さんがチームを軌道に乗せるために様々な実践をされてきたエピソード。「その場を俯瞰で見て、必要とされていることを読み取る」というのは、馬場さんが施工管理時代から実践されてきたことであり、培われてきた強みなのだと感じます。環境の変化をポジティブに捉え、前職の経験も活かしながら着実に仕事の幅を広げられているお話に、前向きなパワーをいただいたインタビューでした。

取材・文/増田 雅美
写真/谷貝 玲


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