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アジャイル開発×UXデザイン:その②「デザイナーとスクラムチーム、理想の距離感とは?」

株式会社メンバーズのシニアUXデザイナーの植木です。
メンバーズでは、アジャイル開発をメインにお客さまのプロダクト開発の支援をするチームがあり、私はそのチームの中でUXデザイナーとして動いています。

この記事では、デザイナーとスクラムチームが理想的な距離感で協働するために効果的な手法をご紹介します。
プロダクト開発の現場に関わる方はぜひ参考にしてみてください。


デザイナーとスクラムチームとのちょうどよい距離感とは?

「ユーザーストーリーマップで説明して、UIデザイナーに画面デザインを作ってもらったけど、思っていたものになっていなかった。その後、何回も出し直しをしてもらってようやく完成した。」byプロダクトオーナー

「デザイナーが作ってくる画面デザインが、開発側のルールややりやすさを汲んでくれていない」by開発者

プロダクトオーナーやスクラムマスターのこのような言葉を聞いたことがありますが、デザイナーからすると「思っていたものってなんだ?そんなものがあるなら最初から教えてくれよ」「開発側のルールって?どうなってたらやりやすいの?」と感じるかもしれません。

これはありがちな話だと思いますが、プロダクト開発においてなぜこのようなやりとりが起きてしまうのでしょうか?

私は、デザイナーとスクラムチーム(プロダクトオーナーや開発者)とのコミュニケーションが圧倒的に足りていないことが原因だと思います。

「プロセスやツールよりも個人と対話を」
アジャイルソフトウェア開発宣言にこのような言葉があります。

また、アジャイル宣言の背後にある原則にも「情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス・トゥ・フェイスで話をすることです」と書かれています。

もしあなたのスクラムチームにUXデザイナー、UIデザイナーが必要になるなら、この原則は彼ら/彼女らとのコミュニケーションにもあてはまります。

プロダクトオーナーがユーザーストーリーマップをデザイナーに見せて「作って!」ではいいプロダクトはできないし、デザイナーが「完成した画面デザイン」を開発者に見せて「作って!」でもいいものはできません。

中間成果物は、いつでも対話とセットでコミュニケーションされる必要があります。

「アジャイル開発×UXデザイン」の最適なチームとは?

では、スクラムチームにUXデザイナー、UIデザイナーが必要になる場合、どのような体制を組むのがいいのでしょうか。

答えはひとつ、「UXデザイナー、UIデザイナーもスクラムチームにメンバーとして参加する」です。

スクラムチームに必須とされている役割は、プロダクトオーナー、開発者、スクラムマスターです。でもあなた のチームにデザイナーの力が必要だと感じるのであれば、デザイナーは外部チームから「必要に応じてちょくちょく」参加するのではなく、チームメンバーとしてともに開発に取り組む必要があります。以下がその理由です。

理由①:情報量
UXデザイナーもUIデザイナーも、何かをデザインするためには、そのプロダクトについてできるだけ多くの情報を必要としています。そして、どんな情報が設計にとって重要になるのか、誰かがその重要性を判断してデザイナーに伝えるのはとても難しいことです。それであれば、プロダクトについての情報が飛びかうスクラムチームにデザイナーが入り、そこで開発現場の雰囲気や状況を含めて必要な情報として設計に取り入れていくのが結局は最も効率がいいやり方です。

理由②:チームのプロダクトへのコミット
デザイナーの成果物はユーザーストーリーマップや画面デザインとして表現されますが、この成果物の責任者はプロダクトオーナーだし、プロダクトとして形にしていくのは開発者です。そしてプロダクトオーナーはもちろん、ほとんどの開発者も「もっとプロダクトがこうなっていたらいいのに」という想いを持っています。その想いがプロダクトの設計に反映されないのはとてももったいないことです。デザイナーが一人でつくって「できました。チェックをお願いします。」ではなく、チームの中でのワークショップ等を通じて一緒に形にしていくことで、スクラムチームのメンバーのプロダクトへの理解とコミットが深まっていきます。

理由③:開発時のコミュニケーション
デザイナーが開発前に理想的な体験や画面デザインを作成したとしても、「こういう場合は何が表示されるの?」「ここの動きはどうなるの?」など、開発者が実装を進めてプロダクトが具体化してくると必ず疑問点が出てきます。そういうときにチームにデザイナーがいるととても円滑に開発が進みます。また、開発者とデザイナーが直接会話をする中で、課題を解決するためのよりよいUIのアイデアが出てくることもあります。

では、デザイナーはスクラムチームに具体的にどのように参加していけばいいのでしょうか。
私は以下のように考えています。()内はデザイナーの役割です。

参加必須のイベント
・スプリントレビュー(デザイナーの観点から成果物をレビューし、必要に応じてコメントする)
・レトロスペクティブ(チームメンバーとして振り返りに参加する)
・デイリースクラム(自分のやっていることの共有や課題の解消を行う)

参加推奨のイベント
・バックログリファインメント(プロダクトバックログや画面デザインに関して、開発者からの質問に答える)
・スプリントプランニング(上と同じ)

スクラムチーム内に「ディスカバリチーム」をつくる

ここまで、既存のスクラムイベントにデザイナーがどう関わるのかを取り上げましたが、UXデザイナー、UIデザイナーはチームにおいてどのような体制で仕事をしていくのがいいのでしょうか。

メンバーズでは、スクラムチーム内にデザイナーの「ディスカバリチーム」を作っています。ディスカバリチームの役割は「プロダクトの価値を高めるために、どのようなユーザーへの価値をどのような機能やUIで提供するのかを設計すること。またその設計内容を検証すること。」です。主な成果物は、ユーザーストーリーマップ、プロダクトバックログアイテム、画面デザインです。

スクラムでいえばプロダクトオーナーの役割に該当するところですが、プロダクトオーナーのリソースやスキルが十分でないことも多いため、UXデザイナーとUIデザイナーが「ディスカバリチーム」として支援するイメージです。

ディスカバリチームの構成イメージ

ディスカバリチームのメンバーは以下です。
・プロダクトオーナー
・UXデザイナー
・UIデザイナー
・開発者(1名程度。全員でなくていい)

ポイントは、開発者もディスカバリチームに参加することですが、チームで具体的に何をするのかについてはこちらの弊社サービス紹介資料に記載しています。
資料:UXデザイン支援「プロダクト・ディスカバリ」サービスのご案内

ぜひこちらもご参考に読んでみてください。

まとめ

タイトルに戻ると、一般的にUXデザイナーやUIデザイナーとスクラムチームの距離は離れすぎていることが多いように感じます。デザイナーもスクラムチームに参加して、もっと近くでもっとたくさんのコミュニケーションをとることで、お互いの成果物の品質の向上、ひいてはプロダクトの価値の向上が実現できるはずです。

すべてのスクラムチームにUXデザイナーやUIデザイナーが必要だとは思いませんが、もしそのスクラムチームがUXデザイナー、UIデザイナーの力を必要とするのであれば、このような関わり方が理想的だと考えつつ、私たちも日々、試行錯誤しながらプロダクト開発に取り組んでいます。

ちなみに、前編の記事ではプロダクトオーナーのバディとしてUXデザイナーが動く上で欠かせないプロダクトバックログへの関わり方について書いています。
こちらもぜひ読んでみてください!

アジャイル開発×UXデザインのサービスのご紹介

メンバーズでは、既存のプロダクト開発プロセスにUXデザインを組み込むことで、より高い価値を生み出すプロダクトの設計・開発を支援するサービスを提供しています。

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