自発的に学ぶクリエイター文化を醸成。「ギルド」ってなに?
メンバーズでは社員のスキルアップや組織横断の繋がりなどを通じ、高いスキルを持った人材をより多く輩出できるようにクリエイター職種制度を設けています。これはメンバーズのサービスモデルにおける役割を「クリエイター職種」として定義することで、社員個々人のスキルや実績を可視化し、その先のキャリアやスキルアップの目標を明確にする制度です。
しかし、実際にスキルアップをしようと思っても「どうしたらいいのか分からない」、「個人学習では限界がある」と思われる方も多いと思います。メンバーズではこの職種制度に併せて、それぞれの職種ごとに学びあうコミュニティ「ギルド」というものがあります。
今回はギルドの発起人である牛尾さんに、ギルドの役割とその取り組みについてお話を伺いました。
-ギルドの目的について教えてください。
メンバーズのギルドの発想のもとになったものは、名前の通り中世の西欧に存在していた職業組合である「ギルド」です。
メンバーズでは幅広い職種のデジタルクリエイターが活躍しています。エンジニアやディレクター、データ、UIUXデザイナーなど多様なスキルをもつ社員がいますが、職種別の組織になっているわけではないため、同じ職種の仲間と組織やカンパニーをまたいで交流する場がない状態でした。
そこで、組織に横ぐしを刺し、主に職種ごとのスキルアップのためのコミュニティとしてつくられたのがギルドです。ギルド内では勉強会などのイベントを開催することもありますが、それはあくまで一部分。メンバー同士が自分が属する職種のキャリアのロールモデルを知り、共に成長の方向性を考えることが重要だと考えています。また、同じ職種の社員が集まることで刺激となり、高い向上心が芽生えることも期待しています。
コミュニティの特性として、メンバー同士の横のつながりを重視しています。縦割り組織の構造にありがちな、隣の部署で何が行われているかがわからないという状況を解消したいですね。組織を超えたつながりを形成し、現場での悩みを解決する手助けをすることで、社員のスキルを拡大させていきたいんです。このような活動が、結果として高い付加価値を持つ人材を育成し、高品質なアウトプットを可能にすることに繋がると信じています。
-ギルドの概要について教えてください。
さまざまな職種を7つの分類に分けており、その中に子ギルドという小さなコミュニティがあります。現在存在する子ギルドは、グロース系、プラットフォーム系、ディレクター系、データ系、エンジニア系、ウェブデザイナー系、UXデザイナー系の7つです。コミュニティごとに同じ職種でスキルアップを目指すメンバーが集まり、職種の第一人者であるマイスターとコミュニケーションを取りながらスキルアップを目指します。
ギルドが提供するコンテンツは大きく分けて3つ。ギルドイベント、ギルドスペース、ギルドポータルです。
ギルドイベントでは勉強会やセミナー、マイスターを招いた座談会やLT大会を行っています。オンラインでの参加も可能で、幅広いテーマのイベントが開催されています。
ギルドスペースでは、Googleチャットを利用して職種のマイスターや社員が交流できる場を設けています。ここでは、参加者同士の情報共有や相談が行われ、自由なコミュニケーションが促進されています。
一方、ギルドポータルは情報を集約したサイトで、イベントの実施情報やアーカイブを提供しています。ここでマイスターのおすすめ書籍やコンテンツも紹介されており、後から知りたい情報を得るために利用されます。
-充実したコンテンツでスキルアップに役立ちそうです。スキルを伸ばした社員にはどんなメリットがありますか。
ギルドとは別にクリエイター職種制度というものがあります。クリエイター職種とは、メンバーズの提供するサービスにおける職域や職責を明確化し、より専門的で高度なスキルを獲得することでサービス品質の向上を目指すための役割分担を定義したものです。社員はこれまでの実績をもとに申請し、職種の第一人者である「マイスター」がそれを審査。実績が各職種に定められた要件を満たしていれば、各クリエイター職種のレベル2以上であることが認定されます。
各認定職種にはそれぞれレベル1~3が設けられています。レベルが上がるとその分、社内での評価にも関係しますので昇進・昇給などにもつながります。
ギルドで学びあうことで知識を深め、自身の属する職種レベルの向上を目指していってほしいと思います。
またギルドイベントには職種認定のレベルごとに開かれている講座もあるので、より高いスキルを目指すことができます。職種認定は複数の系統を持つこともできるので、一つの職種でレベル3になることがゴールではなく、様々な業務に関わりたい人は複数の職種認定を目指すこともできます。
-職種認定を受けるにはどうしたらよいのでしょう。
半期ごとにポートフォリオを作成し、申請していただきます。主にどんな業務に携わったか、そこでどんなスキルを獲得したかを自己申告してもらい、マイスターがそれを評価し認定します。
-ギルドに参加することでスキルアップのための支援が受けられ、結果として自身の評価・キャリアアップにつながるのですね。ギルドに参加する条件などはありますか。
ギルドへの参加は自由で全社員が対象です。ギルドポータルやギルドスペースは社員であれば誰でもアクセスでき、定期的に情報が配信されます。参加したい人が自発的に集まるコミュニティを目指しています。
割合でいうと全社員のうち3~4割が参加しています。イベントへの参加者数でいうと、人気の講座には50人以上が集まるものもあります。平均の参加者数でいうと1講座10人程度でしょうか。そのほかにアーカイブ動画もありますので、参加率は高いです。
-今後ギルドを運営していく中で、どんなことを成し遂げたいですか。
ギルドのモットーは「みんなで・まじめに・たのしく・まなぶ」です。学びは真剣に行うべきですが、同時に楽しくなければ効果が薄れると考えています。学びが苦行や強制のようにならず、全てのメンバーがフラットな関係で楽しく学べるような環境を提供したいと考えています。
社員の皆さんにはギルドの取り組みを前向きに受け止めていただき、一緒に盛り上げていくことを期待しています。高スキルな人材が増えることで、個々の人生においても大きな価値が生まれると信じています。
今後新たにメンバーズの仲間になってくれる人たちにも、ギルドの目的やビジョンに共感してもらえるように運営していきたいです。自身のスキルを伸ばしたいという気持ちが強い人には、ぜひギルドに参加してもらいたいですね。みんなでまじめに楽しく、切磋琢磨していきましょう。
まとめ
メンバーズでは、社員のスキルアップと組織横断的なつながりを促進するために「ギルド」を導入しています。ギルドは、職種ごとのスキル向上を目指すコミュニティで、メンバー同士の交流や情報共有を通じて成長の手助けをします。参加は自由で、全社員が対象となっており、勉強会やセミナーを通じて専門知識を深めることができます。
ギルドは社員が自ら学ぶことで自身の成長とキャリアを築き上げていく、メンバーズらしい制度だと感じました。ギルドを活用しながら多くの社員が知識と経験を共有し、一人ひとりが自立したキャリアを歩めるように切磋琢磨していきたいと思います。
取材/岩本 多美
文/吉田 拓望