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「2030年までに、Web3領域の開発で第一想起をとる」。まだ誰も到達していない場所に歩みを進めている最中です。

「Web3におけるビジネスモデルの量産」を目指し、2023年に設立されたWeb3カンパニー。代表の山本さんに、カンパニー立ち上げの経緯やそこに至るご自身の経験、今後目指す組織像についても詳しく伺いました。


カンパニーを立ち上げた理由について教えてください。

Web3は「究極の顧客起点ビジネス」。

理由は色々あるのですが…大きなところでいうと「Web3は究極の顧客起点ビジネスができる」という点です。

元々、インターネットが普及し始めたWeb1.0時代は「データはユーザーのもの」という思想のもとに成り立っていました。しかし、Web2.0時代にはデータの主権がユーザーから企業へと移り、そのデータを独占した企業がビック・テックとなり巨大化していく世界に。これらを受けて、改めて「データはユーザー主権で考えよう」という思想のもとに成り立っているのがWeb3.0です。

Web3.0では、極論を言えばデータを保持しているユーザーの声を集めて、ユーザーが求めていることを起点に商品やサービスを作っていくことが可能です。これまでユーザーが求めるものを作ろうとなった場合、人間中心設計を中心としたUXデザインが行ってきましたが、UXではまずリサーチを行なう「場」を設けることが必要で、ユーザーを集めるためのコストも大きくかかっていました。

その点Web3は、例えばNFTを持つ人たちが商品を作る仕組み(DAO)を作れば、ユーザーの声をリアルタイムに届けることもできます。作りたいサービスに合わせ、そのサービスだけのUXリサーチがいつでも簡単にできる。その意味では、究極の顧客起点ビジネスのあり方だなと思ったんです。UXデザインの思想を大事にしているメンバーズの事業と相性が良い点も事業化の後押しになりました。

それに、メンバーズはWebの黎明期から事業を行っていますから。Web3も黎明期から取り組まないとメンバーズじゃないよね、というのも大きな理由ですね。

メンバーズが大きく成長したのは、Facebookの運用で第一想起を取れたから。
Web3の領域でも第一想起を取ることで、グループの新たな「柱」となることを目指しています。

黎明期から取り組むことで「第一想起」を。

黎明期にこだわるのには、もう一つ大きな狙いがあります。それは、これから伸びていく市場で「第一想起」をとること。『2030年までにWeb3領域の開発で第一想起をとる』。つまり、Web3の事業やマーケティングをやるとしたらまずはメンバーズに相談しよう、という流れを作ること。これが僕のやりたいことです。

理由はシンプルで、市場が育っていないからこそ、第一想起を狙うのにいちばんチャンスを感じているからです。事業開発からマーケティング、それも既存のWebマーケティングを絡めて支援するということを今のところやろうとしている企業がほとんどいない。それなら自分たちで、マーケティングに強いメンバーズで、という思いもあります。

市場ができあがっていないことで、カンパニーの事業を固めるまでには実際多くの時間を要しました。今もまだ立ち上げの「過程」にありますが、それでも強く推し進めていくのは、「Web3が当たり前になる世界は必ず来るだろう」という業界の共通認識があるから。2030年になった時に、それ以前から事業を続けているか、波が来てから始めるかでは事例の数も、事業の作り方に関してもバックグラウンドの差は明らかです。「その時に選ばれる立場でいられるかどうか」。そこが大きなこだわりでもあります。

「黎明期から取り組み、先行者利益を取る」。その考えに至った原体験のようなものはありますか?

「この分野と言えば◎◎」という共通認識は強い。

これはコンサル時代の話ですが、「代名詞を取れたらその市場を独占できる」という事例がありました。例えば、地方にはイオンなどが運営する巨大なショッピングモールがあるかと思いますが、イオンに行けば買いたいものが大体手に入る、一日中時間を潰せる、という代名詞が取れているからイオンに顧客は集まります。こういう事例は大きな企業だけでなく、○○専門の税理士、ある分野の特化型や専門型のブランディングでその地域で最も有名なお店などでも考えられます。

また、こうした話はWeb3でもすでに起こり始めていて、「Web3に強い弁護士事務所」といったブランディングをしている弁護士事務所さんもあります。

このように、「この分野に強い」というイメージを取ることができれば、SEOと同様に自然と問い合わせ流入が増えてきます。それがつまり「第一想起を取れている」ということ。市場を実質的に「独占している」状態で、そうなるとやっぱり強いです。同じように、メンバーズが急成長できた時期は「Facebookの運用といえばメンバーズ」という第一想起が取れていたのだと思います。

これらが今の考えにつながっている部分は大きいですね。今後大きくなる市場で第一想起に近い立場をとれれば、市場の拡大に伴って会社も自動的に大きくなっていく。この構図を作れるのが理想です。何年か先、市場が大きくなった時に「Web3といえばメンバーズ」という認識が浸透している。お客様の方から相談に来てもらえる。そんな状態を目指していきます。

カンパニーとしては具体的にどんなことに取り組んでいますか?

「上流から入る」を勝ち筋に。

カンパニーとしては、立ち上げ当初から「PMO段階から入る」ことが顧客との関係を作る上でもっとも重要と考えています。戦略から入ることで顧客がどんな事業をやりたいかを深く理解できる利点があり、また顧客が実現したいことを実現するためにも必要なことだと考えています。

その上で今の自分たちにできるのは、目の前の顧客がきちんと事業を伸ばせるお手伝いをしていくこと。認知度を上げるマーケティング活動はメンバーズの得意とするところなので、Web3の領域の事業開発もできる、ローンチした後のマーケティングもできる…とグループ全体で一気通貫のスタイルを作って、その事例をどれだけ増やせるかが今後大事になってくると思っています。

業界全体では、競合も一緒に市場を作っている段階。

業界全体で見ると、顧客の支援は一社だけはできない、という見方もできます。というのも「ユーザー主導」という特徴から想像できるように、現時点では「Web3を取り入れることで会社としてのリスクはないのか?」と慎重に考える企業も少なくありません。その状況を打破するために、今は「Web3でできる領域」と「既存の技術でやるべき領域」の塩梅を探っている段階。自社・競合を問わず一緒に市場を創っていっているイメージです。もちろんビジネスなので自社の売上も大事ですが、競合・大手・スタートアップ問わず連携しながら市場を育て、みんなで市場を創っていっています。

その中で、メンバーズを含む「Web2も、Web3も分かる」企業の役割は、Web2領域・Web3領域をうまく組み合わせ、Web3で何をどこまで実現できるのか、Web2/Web3の棲み分けはどうするか、「こうすれば良い」というセオリーを確立すること。セオリーが確立されれば、世間も「Web3来てるね!」という状態になる。そうすれば市場もおのずと伸びていく、という考え方です。

全体を例えるなら、一社一社が歯車になって一緒に回っているイメージでしょうか。同じ歯車でも、端の方で小さく回っているのではなくて、真ん中で基幹となっていろんな歯車と噛み合いながら回っている方が強いですよね。僕たちが目指すのはそこです。今はとにかくユースケースを増やして、歯車を大きくしている段階。自社の存在感を高めていくためにも、今後入社されるPMOの方の役割はとても大きいと考えています。

今回入社される方に求めるマインドは?

  • 新しい市場を作ることにチャレンジできる人

  • 明るく素直でタフな人

  • 答えがないことを全力で楽しめる人

  • クライアントの事業を達成させるために死ぬ気になれる人

新しい事業を作っていく上で、物事とタフに向き合えることはマストです。経験したことのない課題にも、自ら知識をキャッチアップして立ち向かう。そうして個々のキャパシティを広げていくことが事業拡大への一歩だと考えています。

組織としては、市場が大きくなった時に派生カンパニーが生まれる状態になっていたいですね。例えばNFTやDAOに特化したカンパニー、ブロックチェーンエンジニアに特化したカンパニーなど、この先どんな形でも派生カンパニーは作れると思っています。その時に向けて、まずは組織を自分がいなくても回る状態にすること。その上で自分は未来を作る仕事に専念することが当面の目標です。

いずれにしても、まだまだ未知のことばかりのカンパニーです。言い方を変えれば、今後いかようにも作っていけるということ。その状況を全力で楽しめる方と一緒に事業を作っていければ嬉しく思います。

PMOの実務経験があることが前提ですが、採用でもっとも重視するのはマインド。
「顧客のため」という気持ちの強い方、答えのない仕事にもタフに向き合える方を求めています。

編集後記

「第一想起の獲得」という明確な目標に向けて、クライアントの支援領域を着実に広げているWeb3カンパニー。目の前のクライアントと向き合い、実績を積み上げることが、業界のセオリーを確立することにもつながっていく。まさに市場をイチから作り上げているお話がとても興味深かったです。貴重なお話をありがとうございました。

取材・文/増田 雅美
写真/谷貝 玲


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