見出し画像

Scrum Fest Osaka 2022 イベントレポート 現地会場・エッジ登壇編

初めまして、メンバーズの宮村と申します。 先日、Scrum Fest Osaka 2022の大阪会場に現地参加してきました!

日時:6/17 17:00〜19:00、6/18 10:00〜17:00
場所:イケマンカンファレンスホール(@堺筋本町)
このイベントは、日本中各都市のスクラムのユーザーグループが大阪を中心として繋がり、その各拠点から何名かがスクラム開発に関わる発表を行い、並行してイベントを協賛しているスポンサー企業(メンバーズエッジも含む)も発表するというイベントでした。全体としてはオンライン含め200名が参加、大阪会場はスタッフが10名程度、参加者が20名程度いて終わった後2日とも大阪会場近くの飲食店で交流会があり、参加させていただきました。まずはその様子をお伝えします。

※この記事は2022年7月に執筆されました。当社は2023年4月付で、EMCカンパニー、 メンバーズキャリアカンパニー、 メンバーズエッジカンパニー、ビジネスプラットフォームカンパニーの4カンパニーを統合し本部制を導入しています。

現地の様子

上記画像のように舞台上に大型のスクリーンがあり、司会者がマイクで進行を進め、メインの発表はこちらで上映されておりました。
さらに、各拠点用のブースも設置されていていつでも好きな発表が視聴できるようになっていました。

交流会の様子

2日とも現地の関係者30名全員が参加して、現地近くの飲食店を2店貸し切られていたので15名程に分かれての開催となりました。スポンサー企業以外では、大手メーカーや大手通信関係のマネージャーをされている方が多く見受けられて名刺交換やいろいろな情報交換をさせていただきました。

メンバーズの登壇

2日目の午後は、メンバーズが担当させて頂いているスクラム開発のプロジェクトを例に取り発表(セッション)が行われました。
本登壇では、実際にスクラム開発導入やUXデザイナー参画にあたり困ったこと、工夫したことが包み隠さず語られていました。そのため、現在スクラム開発やUXデザイナーの導入を検討されているプロジェクトにとっては大変有意義な内容になっていました。
登壇者として、メンバーズのクライアント企業である、不動産DX事業を展開されているLANDNET(以下LAN)様から川上 真澄様(マネージャー) 清水 佑介様(プロダクトオーナー) 安食 太人様(エンジニア) にご協力いただき、またメンバーズエッジ(以下MEM)からは、板原 潔(スクラムマスター) 小林 拓矢(エンジニア)・植木 耕太(UXデザイナー)が登壇し、パネルセッションをさせていただきました。
以下では、その内容を詳細にお伝えします。

テーマ1:スクラムさん、初めまして

(MEM板原)スクラム導入の背景についてお話しいただけますか?

(LAN川上様)元々やってみたいというのが始まりで、また開発手法を気にする人が多くて、社内の現行システムは、業務の内容が明確化していたが、新規で手掛ける機能はそうではなかったのでアジャイル開発に向いているのではないかということでした。まずはその新規プロジェクトチームからスクラムを導入しようということになりました。

(MEM板原)スクラム導入の裏話があればお話しいただけますか?

(LAN清水様)不動産業界自体がレガシーなので、業界全体でDXを推進しています。法改正で売買契約が電子化されるなど取り巻く環境もアジャイルを導入するきっかけになりました。

(MEM板原)ウォーターフォールと比べて、スクラムをやってみてどうでしたか?

(LAN安食様)よかった点としては、「小さくリリースできる考え方」、「変更に強い」、「テストコードの導入」、「できたものが形になって見える」、「開発のフィードバックをもらいやすい」などがありました。

(MEM板原)専属のスクラムマスターがいる開発を経験してみてどうでしたか?

(MEM小林)前のプロジェクトが「なんちゃってスクラム」でして、ベロシティを計測していなかったり、スプリントゴールがなかったりという状況でした。今回のプロジェクトは、しっかりスクラム開発を行っていて、レトロスペクティブでトライして改善していくという流れでチーム一丸となって徐々にプロジェクトが良くなっていくのが目に見えてわかったので楽しかったです。

(MEM板原)スプリントゼロについてはどう感じましたか?

(MEM小林)スプリントゼロの準備を入念にしましたが、最初の頃はベロシティが上がりませんでした。インセプションデッキや動くものが先にあったりした状況で入ったメンバーは、スプリントゼロで用意されていた資料をしっかりと読んだ上で説明も頂いて進め方など理解できた上、さらに業界の知識なども一緒に頂けたので入りやすかったです。チームとしてどこのゴールに向かうのか、また共通理解が共有されていたこともやりやすかったです。

(MEM板原)アジャイルの場合、ドキュメントも含めたアウトプットが少ないこともあったと思いますが、そこへの懸念はありましたか?

(LAN川上様)当初は、週に一度のスクラムイベントの時間があり、手を動かす時間が減ることが心配でした。ただ、毎週振り返りなどで課題を潰していくことで、週に消化できるベロシティも上がってきたので、スクラムイベントの必要性を感じその不安は減ってきました。成果物で言うと週に1回リリースがあることで依頼したものと違うものが出てきた場合、早期に修正ができるので結果アウトプットの質もあがってきました。

(MEM板原)一週間スプリントの場合、スクラムのイベントに時間を割くより開発に時間を取ったほうがいいんじゃないかという意見について、安食さんはいかがだったでしょうか?

(LAN安食様)確かに最初は多いと感じました。でも振り返りをやっていくと課題がなくなっていきベロシティも上がったので、やっていくうちにいいと感じるようになっていきました。

(MEM板原)植木さんは、ファーストリリース後にUXデザイナーとして参画されていかがでしたか?

(MEM植木)毎回思うのは、スクラムチームは仕事的にはやりやすいです。チームの雰囲気がよく入って行きやすい。というのは、上司と部下の関係性があまりギスギスしておらず、対等なのが良かったなと。お客様側とも壁がなくフラットな関係性を構築できていました。

(MEM板原)フラットな関係を築くために大事にしていることはありますか?

(LAN清水様)上司が命令して部下が作業するという関係ではなくプライベートでも関係性を良くするように心がけています。

(MEM板原)弊社とLANDNET様では、関係者全員の休みや出社時間も合わない環境でした。そこでペアプロしたり雑談をする時間を作ったのですが、それが良かったんですかね?

(LAN清水様)そうですね。そのおかげで次第に打ち解けていったと思います。一日2時間Meetを繋げてスペシャルコアタイムを設けました。カメラもオンにしたままなので最初は緊張しましたが、話したい時に話せるなどいい面もあり効率は上がっていきました。

(MEM板原)UXデザイナーの植木さんは、カメラをオンにして繋げたまま作業するという経験はありましたか?

(MEM植木)繋げたまま作業をするというのは今まではありませんでした。ただ、それほど抵抗はなく、Slackではニュアンスが伝えにくいものや、ちょっとしたことをすぐに聞ける環境は良かったと思います。

テーマ2:UXデザイナーが入ってどう変わったか?

(MEM板原)弊社側からUXデザイナー導入の提案を行ったのですが、実際に導入を決めたきっかけを教えていただけますか?

(LAN川上様)正直なところ、どれぐらいコミットしていただけるのか等、導入に抵抗はありました。ただ、現行のサービスで利用率の低いものがあり、どのように改善していいのかわからない状態にあったのですが、UXのプロの目線からヒアリングを実施することが重要だと考えていました。またUIなどもエンジニア目線でのカッコよさで決めていた部分があったので、より良いサービスを作っていくためには、客観的な意見が必要だと感じ導入を決意しました。

(MEM板原)UXデザイナー導入についても裏話はありますか?

(LAN清水様)UXが大事だとは聞いていましたが、提案を受けた時点ではUXデザイナーが入ってくることには抵抗がありました。ただ、実際UXデザインというのがどういうものかの説明を受けて、実は一番足りていないところだということに気づきました。リリース後に使われていない機能があったり、イメージの齟齬が起きないように事前にヒアリングして防ぐことが重要なのかなと。そういったことから、実際にUXデザイナーに参画してもらって色々学びたいという気持ちになり、参画していただきました。

(MEM板原)では実際にどのような作業を行い、どのような効果が出たかについて教えていただけますか?

(MEM植木)すでに機能がリリースされている状態で参画したので、その機能がユーザーに取って価値があるのか?扱いやすいかどうか?の検討と改善点の洗い出しから始めました。実際にユーザーの方に見てもらいテストや評価をしてもらって、使いにくい部分などをヒアリングしてその改善策を考えました。その次に、新しい機能の開発に設計段階から参画し、どのようにすれば使われる機能になるのか、こちらも多くのユーザーに話を聞きながら考えていきました。

(MEM板原)基本的に開発メンバーは直接ユーザーにヒアリングをすることがないので、システム的な所を含めたヒアリングの方法などをプロフェッショナルであるUXデザイナーに任せたことによってより使われるシステムへと変わっていったと思うのですがどうでしょうか?

(MEM植木)基本的にはユーザーにとって価値のあるものを作ろうというのがゴールなのですが、そのためにユーザーに直接ヒアリングしたりプロダクトを見せて意見をもらうのが最適な手法だと思います。ユーザー自身もどのような機能が欲しいのかが分かっていないケースもあるので、質問の仕方を工夫することや分析によって本当に必要なものを洗い出していきます。またスクラムということで感じているのはプロダクトバックログを作るのがUXデザイナーの仕事の最終的なゴールであり、そのプロダクトバックログに「イケてる」アイテムを追加していくことが重要だと感じました。その「イケてる」アイテムの作り方というものが存在する訳ではないので、ユーザーへの質問や分析から判断した結果を元に自分で「イケてる」アイテムを判断してプロダクトバックログに追加していく、この作業に特化した領域がUXデザイナーであると思っています。

(MEM板原)一緒に作業したエンジニア目線ではどのように感じましたか?

(MEM小林)今までエンジニア中心で設計を決めていましたが、ユーザーの声を直接聞く方が100倍効果があると感じました。またUXデザイナーが参画したことで、エンジニア中心であったチームに多様性が生まれました。

(LAN安食様)使いたいものや作るコストを無意識に考えていましたが、直接使う人の意見がベストであると感じました。UXデザイナーが入ることで一段レベルアップしたプロダクトが生まれたと思っています。

テーマ3:組織全体へのスクラム導入で課題になったこと

(MEM板原)当初一つのチームだけでスクラム開発を始めましたが、他のプロジェクトにもスクラムを導入しようということになりました。その際に課題になったことを教えてください。

(LAN安食様)導入するチームが4つあって、まずはスクラムイベントをやるところから始めましたが、各チームにスクラムマスターやスクラムそのものへの知見がないことに気づきました。勉強会も行ったりはしていたが、「なんちゃって」スクラムになってしまっていました。認定プロダクトオーナーの資格を社内メンバーに取ってもらったりしましたが、どこまでスクラムの勉強などに時間を割けるか、も課題でした。

(MEM板原)新規での開発だと問題はないが、社内システムなどでは今までやってきた方法を変えるのはハードルが高いと思いました。

(MEM板原)複数のスクラムチームができたことについて何か感じたことはありますか?

(LAN清水様)当初スクラムチーム間の連携が難しかったが、エンジニアがPOになるのではなく、その業務に詳しい人をPOに置きました。しかし、本来の業務もある中でPO業務をこなす必要があり、またエンジニアとPOが各々どれぐらいリードするかのバランスを考える必要もあるなど、難しい面もありました。

(MEM板原)エンジニアの立場ではどのように感じましたか?

(MEM小林)最初は大変だろうなと思っていました。スクラム経験者もスクラムマスターもいない中で実際人数も増えるので、難しいなと感じています。

まとめ:今後の取り組みについて

(MEM板原)時間も無くなってきたので、まとめとして今後の取り組みについてお話しいただけますか?

(LAN川上様)改めてコミュニケーションの重要さを痛感しています。例えば、スクラムを導入しているプロジェクトも増えてコミュニケーションのロスが増えているのが課題としてあります。アジャイルはコミュニケーションを大事にする文化で、上下関係を作るのではなくお互い対等の立場で役割を全うすることが重要だと思っているので、強制的にでも一日一時間コミュニケーションを取る場を作ることなどを考えています。

(MEM板原)弊社としても、そういった面も含めてご支援できればと思っています。チームだけでなく組織全体をアジャイルにしていくためにぜひ協力させていただきたく、今後ともよろしくお願いいたします。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!